2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

反撃

娘は、おっとりした子どもだったが、思春期に、生まれ変わったように激変して、イケイケになった。中年になり、ますます活発である。トラブルに立ち向かうのが趣味ではないかと思うほど、交渉事にもひるまない。 どうしてそんなに交渉が上手なのかと尋ねたら…

匂い

朝、ゴミを出すために玄関のドアを開いたら、落葉を炊くにおいがした。 最高! 多分、自分が一番好きな匂いだとおもう。 山村で育ったので、堆肥や鶏舎、牛舎の臭い、野焼き、稲わらや刈り取った草、木くず、落葉などを焼くのにおいなど、季節ごとのにおいに…

お姿

新聞の書評欄を開いたとき、ある作家の住まいと全身写真が載っているのが目に入った。 暗い、不気味。 でも、この写真は好きだ。 切り抜いて大事にしよう。 もしかしたら、私の憧れの、お姿かも? もともと、電話をとるのもおっくうで、誰かと交渉するなどと…

師匠にも欠点はある

小児喘息だったので、運動して咳がひどくなるのが嫌だった。なるべく静かにしていようと決めていたので、体育の時間や運動会は悩みの種だった。 二十歳過ぎて、喘息の発作は起きなくなり、運動恐怖症は消えた。 40代の中ごろ、自分が住んでいる団地の公園で…

気が変わる

朝7時。布団の中。 夫が透析を受けに行く日なので、起きなければと思う。 お腹が張っていて気分が悪い。我慢して起き上がると、鼻づまりで息苦しく頭が重い。便秘で、花粉症まで重なっている。 最悪。 この状態で、あと一つイラつく出来事が起きたらキレるな…

リハビリ、リハビリ

母は亡くなる十日ぐらい前まで、家事をしていた。寝込んでも在宅のまま、点滴を数日間受けただけで、老衰で静かに息を引き取った。90歳だった。 中年の孫娘と小学生、中学生の二人のひ孫と同居していたのだが、孫娘は仕事に出ていたので、母は最期まで現役の…

才能、のようなもの

友人から聞いた話。 50年ほど前のことで、まだ、お茶くみとか電話番という仕事があった。 友人が関係していた事務所に、病弱で体力もない女性が雑用係として働いていた。その人は、数人分のお茶をお盆にのせて運ぶ力がなく、一人前ずつ運んでお茶出しをして…

限界の限界の限界

透析生活10年目の夫は、最近、ペースメーカーをつけ、心臓を取り巻く血管を広げる治療も受けた。この程度の心臓のメンテナンスは序の口だと言われた。足腰が弱くなり外出は車椅子になった。視力も聴力も落ちすぎて、眼鏡や補聴器もほとんど効果がない。85歳…

胸を噛まれる

夢をみた。 子犬は自由に家の中を動き回っている。 サイの子どもは、首輪と鎖をつけ、手足を縛られて、身動きできないくらい狭い檻の中に閉じ込められている。 サイの子どもを檻からだし、手足を縛っていた紐を解く。 檻から出たサイの子どもは、首輪につい…

身振り 佇まい

高齢になったことに加えて、なんとなく体調がよくない日は、うつむいてとぼとぼと歩く。それでも、外に出て動いていると、救われたような気分になる。 築40年の団地では、自分と同じようにのろのろと歩く人、足をひきずったり杖をついたり、歩行用の手押し車…

ふしぎな体験

自己啓発をやりまくって、すれっからしになり、やめていた。 花粉症のせいもあり、鬱々してきたので、久しぶりに、あるメンタルトレーニングをやってみた。 過去の記憶を書き換えるという課題を試してみた。 亡き両親は超貧乏暮らしで、喧嘩ばかりしていたと…