身振り 佇まい

高齢になったことに加えて、なんとなく体調がよくない日は、うつむいてとぼとぼと歩く。それでも、外に出て動いていると、救われたような気分になる。

築40年の団地では、自分と同じようにのろのろと歩く人、足をひきずったり杖をついたり、歩行用の手押し車や車椅子で移動している人も、よく見かける。

白黒映像にすれば、味のあるシーンになりそうな気もする。

 

家にいるとき、芝生や小道を掃除している人が目に入ることがある。背の高い細身の老人が、ゆっくりと芝生をはいたり、自転車置き場の壁や天井を払ったりしている。緩やかで静かなうごきは、舞踏みたいだ。影絵のようにも見える。

 

夫が病院で検査や治療を受ける時、私は廊下のベンチで待つ。

昼近くになると、検査室や処置室から出てきた職員が、廊下でパッと白衣を脱ぎ、それをつかんで足早に食堂に向かう姿を見ることがある。風だ!