匂い

朝、ゴミを出すために玄関のドアを開いたら、落葉を炊くにおいがした。

最高!

多分、自分が一番好きな匂いだとおもう。

山村で育ったので、堆肥や鶏舎、牛舎の臭い、野焼き、稲わらや刈り取った草、木くず、落葉などを焼くのにおいなど、季節ごとのにおいに包まれていた。

 

都会で暮らすようになってからは、落葉炊きのにおいを求めて、庭のある住宅街を散歩した。

最近は住宅街での花火や落葉炊きが禁止になったらしく、寂しい気分になっていた。

ハーブも試してみたが、ハマる香りが見つからない。

 

特養に入っている親戚の人が、コロナのせいで外出禁止、楽しみにしている手芸、華道の先生も来なくなり、季節ごとの行事もすべて中止になったと嘆いている。

コロナが始まった頃、私は、自分も含めて、感染リスクの高い高齢者は、一時的に、過疎地に集団疎開したほうが、若者や中年の社会的な活動が阻害されないのではないかと考えていた。

 

個人的な好みだけれど、最晩年はコンクリートの建物の中で守られるより、キャンプ場のような、野外との境界が薄い場所で野性的な暮らしをしたいと願っている。