師匠にも欠点はある

小児喘息だったので、運動して咳がひどくなるのが嫌だった。なるべく静かにしていようと決めていたので、体育の時間や運動会は悩みの種だった。

二十歳過ぎて、喘息の発作は起きなくなり、運動恐怖症は消えた。

 

40代の中ごろ、自分が住んでいる団地の公園で踊っている女性を見かけて声をかけた。彼女は、自分が主催しているグループを紹介してくれた。

近くのスーパーマーケットの二階の貸しスペースや、公園、駅前広場などで、10人ぐらいの人たちと一緒に踊った。

 

師匠の踊りは、舞踏の考え方が基本になっていて、形にとらわれない動きを推奨された。彼女は、踊りだけでなく、生活全体が独創的で自分流であった。

 

身体の自由な使い方、情報に左右されない暮らし方、わたしは彼女を芯から尊敬していたが、そんな師匠にも嫌だなと思う時はあった。

世間一般の在り方やアーチストに対する評価が激辛で、口が悪かった。